プレミアムは『ルクレ☆オンライン』でご購入いただけます。
『ルクレ☆オンライン』を開く東海塗装株式会社が手掛ける現場のひとつ、東京都江東区にある進開橋の内部。天井までの高さは1メートルもなく、中腰にすらなれない。しゃがんだまま歩くか四つん這いでもなければ、前に進むことすら難しい。しかも真っ暗。工事作業用の照明を点けていただいたが、それでも、頭上に張り巡らされた鉄骨梁に何度もヘルメットを打ち付けた。
工事部の福原智行氏は語る。
福原氏「ここはまだましな方です。中には、ほふく前進でないと進めないような現場もあります。以前は、こんな場所でもアナログ黒板を持ち込んで撮影していたので大変でした。小さな黒板で済めばいいのですが、書き込む項目が多いと、どうしても黒板が大きくなってしまいます」
同工事部の東島将大氏が続ける。
東島氏「場所の狭さゆえ後ろに下がれず、大きな黒板がカメラの画面に入りきらないこともありました。他にも、画数の多い漢字が潰れて読めない、書く人によって文字や書き方に統一性がないといった問題も、アナログ黒板時代にはありましたね」。
福原氏「そこで、蔵衛門Padが発売されたとき、すぐに買ってみたんです。でも、やがてあまり使わなくなってしまった。主な理由は、蔵衛門Padも”私たちの現場では大きかった”から。とはいえ、電子小黒板で先述の問題点が解消されたのも事実でしたし、利便性は感じていました」
そしてある日、福原氏は蔵衛門工事黒板の登場を知る。
福原氏「これなら使える、と思いました。iPhone(で動くアプリ)ならポケットに入るので、狭い現場でも安全に移動できます。また、ちょうど今回の案件が決まり、上司からも電子小黒板を使ってほしいと言われていました。これはあくまで副次的な理由ですが、公共工事では国土交通省の新技術(NETIS)を使うとポイントが加算されて、次回落札時に有利になります。蔵衛門の電子小黒板は、その対象なんです」
今回の案件を機に、工事部では蔵衛門御用達を「2020 Professional」にアップデート。最新の電子小黒板活用環境を整えた。その数ある新しいアドバンテージの中で、福原氏が注目したのは「台帳オーダーメイドサービス」だったという。
福原氏「写真を見ながら補足情報を追記することも依然として多く、台帳作成後の編集入力はほぼ必須なのが現実です。”撮って自動で台帳化して終わり”が理想ですが、そう簡単にはいかないなと思っていました」
そんな状況に光明をもたらしてくれたのが、蔵衛門御用達 2020 Professionalの台帳のオーダーメイドだったのだ。
福原氏「オーダーメイド黒板と完全に連携するカスタム台帳が作れるようになったことで、台帳の完全自動作成への可能性が一気に広がりましたね。私も、黒板と対になる(各項目が連携する)台帳を(※)4種類オーダーしました。4種までなら2週間以内に納品できる、とのことだったので」
台帳オーダーメイドサービスの導入効果について、聞いてみた。
福原氏「台帳作成に関しては、比較的早い段階で5割程度まで省力化できると思います。情報量が多い黒板のユーザーはもちろん、写真や記入項目が限定的ユーザーも、大きな効果が実感できるでしょう。必要な情報を、カスタマイズされた台帳にサクサク落とし込んでいけますから。それに、台帳の見栄えも表示順を工夫したり、発注側の仕様に合わせたりもできる。これは、効率という側面だけでは語れないメリットです」
※台帳オーダーメイドサービスは蔵衛門御用達 2020以上のProfessionalユーザー向けのサービスです。
その一方で、オーダー時には黒板と台帳の設計に熟考が必要ということも判ったと、福原氏は言う。
福原氏「深く考えずにオーダーすると”ここはこうしておけばよかった”と後で気付く点が必ず出てくる。項目をどのようにレイアウトするか。文字の割り付けや揃えをどう指定するか。種類を抑えて汎用性を高めるか、初めから使い分けを想定しておくか。それらを撮影内容やワークフロー、お客様のニーズなどに照らし合わせて決めておくのがコツなんです。こういったノウハウを蓄積して行けば、後から編集作業の必要がない”台帳作成の完全自動化”は一気に現実味を帯びてくる。これも、台帳のオーダーメイドが可能になったおかげですね」
なお、福原氏曰く、黒板や台帳をオーダーする前に、標準の黒板と台帳でひと通りの操作と使い方を習得しておくと、求めるべき仕様が見えてくるという。また、オーダー時には希望する内容をあらかじめまとめておき、細かく具体的に伝えるよう心掛けているとのこと。今後は東京都の仕様に合致した黒板と台帳の完成度を高め、工事写真管理の環境をさらに向上させていきたいと語る福原氏。東海塗装株式会社と蔵衛門が、東京の橋と工事写真の歴史を塗り替えていく。
福原氏のお気に入りは、最大4階層に自動的に台帳を作成・仕分けできるアルバム機能。蔵衛門御用達 2020で実装された新機能だ。従来のアルバムは本棚がひとつしかなく、中にボックスと台帳という最大2階層の構造だった。一方、新機能では工事ごとに複数の本棚を持つことができる。おかげで、最大4階層となり、写真管理の自由度がより広がった。
福原氏「本棚<工事案件<写真区分(『出来形』『安全』『その他』など)<工種、場所、塗装系などに分けています。写真(台帳)は、分けられれば分けられるほど便利ですね。
http://www.tkip.jp/